採用媒体、ホームページに掲載する求人票と採用情報の作成は、理想のメンバーに出会うための最初の、そして最も重要な窓口となります。
この記事では、クリニック開業時に優秀な人材を惹きつけるための魅力的な求人票・採用情報の作成を、具体的に解説します。
1. 職務内容の明確化:応募者が勤務後の姿を具体的にイメージできるものを
求人票で「医療事務」「看護師」、や「外来対応」とだけ記載するのは不十分です。
各職種が具体的に何を、どこまで担当するのかを明確に記述することで、応募者は入職後の自分の働き方を具体的にイメージでき、ミスマッチを防げます。
職種 | 記載すべき具体的な業務内容(例) |
---|---|
医療事務 | クリニック受付、会計業務全般、レセプト請求業務、電子カルテの入力補助、電話対応、院内清掃(特記事項)予約システムの管理や簡単な広報業務など、ご自身のスキルに応じて業務をお願いする可能性があります。 |
看護師 | 診察補助(バイタルサイン測定、問診)、採血・点滴・注射、器具の滅菌・準備、健康診断の補助、院内の衛生管理、患者指導。(特記事項) 日によって患者数が変動するため、受付業務のサポートもお願いします。 |
特に、クリニックの場合は「事務の仕事」「看護師の仕事」と明確に線引するのではなく、忙しいときにはお互いに患者の案内のフォローに回る等、柔軟に対応できる体制も必要です。入職してから「それは自分の仕事ではない」と線引きをして、違う職種のスタッフはと協力できないスタッフは求めていないということを、
業務内容を具体的に記載することで、アピールしていくことにもなります。
【ポイント】
- 「兼任」の可能性も正直に: 新規開業時は特に、複数の業務を兼任する可能性があります。それを隠さず伝えることで、採用後に「話が違う」となる事態を防げます。
- スキルアップの機会も提示: 新しい機器の導入予定や、特定のスキルを学べる機会がある場合は記載し、成長意欲のある人材を惹きつけましょう。
2. 求める人物像の提示:どんな人に来てほしいかを言語化する
明確にどんな人を求めているかをアピールしていきましょう。
「やる気のある方」という漠然とした表現ではなく、クリニックが求める具体的な資質をわかりやすく記載することが重要です。
応募者自身が「自分に合うか」を判断する助けになります。
具体的な言語化の例
抽象的な表現 | 具体的な言語化の例 |
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やる気のある方 | 開業メンバーとして、新しい環境を一緒に作り上げる主体性のある方。 |
協調性のある方 | 他職種と連携をとり、意見を尊重しながら柔軟に業務に取り組めるチームワークを大切にする方。 |
明るい方 | 患者様やスタッフに対して笑顔で親切な対応ができ、クリニックの「顔」になれる方。 |
経験者優遇 | 特定の電子カルテ操作経験、またはレセプト業務の経験を活かし、即戦力として活躍いただける方 |
【ポイント】
- あなたの「診療の核」に合う人物像を:
目指す医療(例:地域密着、専門性重視、予防医療など)を支えるために、スタッフに最も必要とされる姿勢や価値観を反映させましょう。 - スタッフ全体のバランスを見て、職種・雇用形態に合わせて求める経験を具体的に記載:
スタッフ全体を通して求めている人物像もあれば、医療事務・看護師によってこういう人に働いてほしい、役目を担ってほしいという希望は様々かと思います。また、常勤か週1、2日程度勤務する非常勤かによっても変わってくるでしょう。
クリニックをメインで支える常勤であればこういう人、非常勤であればこういう人、と役割を含めて求める人物像をイメージしておくと、より具体性が増してきます。
3. クリニックの魅力のアピール:働くメリットを具体的に
給与や待遇はもちろん重要ですが、それ以上に「なぜこのクリニックで働くべきか」という独自の魅力を伝えることが、応募者の関心を引く鍵です。
アピールすべき要素の例
- 【開業への想いとビジョン】
- 「なぜこの場所で、どのような医療を実現したいのか」という熱意を伝えます。
- 「地域住民の健康を支える**『かかりつけ医』**を目指す」など、クリニックが将来的に達成したい目標を共有しましょう。
- 【クリニックの特徴・強み】
- 最新設備の導入: 「最新の〇〇検査機器を導入予定」など、働く環境の良さをアピールします。
- 診療方針: 「患者様とのコミュニケーションを重視した丁寧な診療」など、具体的な業務への姿勢を示します。
- ワークライフバランス: 「完全週休2日制」「残業はほとんど発生しない見込み」など、働きやすさに関する具体的な制度を強調しましょう。
- 【働くメリット(開業メンバーならでは)】
- 裁量の大きさ: 「院内のルールやマニュアルを一から一緒に作り上げる、立ち上げの醍醐味が味わえる」
- スキルアップ: 「院長から直接、幅広い知識やスキルを学べる」
- 人間関係: 「フラットで風通しの良い、新しい人間関係を築ける」
4. 応募方法・選考プロセスの案内:不安をなくしスムーズな応募へ
応募者が「どうすれば応募できるのか」「いつ結果が出るのか」という不安を感じないよう、手続きを明確に伝えることが大切です。
項目 | 記載すべき内容(例) |
---|---|
応募方法 | 履歴書(写真貼付、メールアドレス記載)、職務経歴書を郵送またはメール添付にて送付。 |
選考プロセス | 【1次】書類選考 → 【2次】面接 → 【3次】条件面談・内定 |
面接回数 | 原則1回(必要に応じて2回行う場合があります) |
選考期間 | 書類到着後〇日以内に、面接後◯日以内に、選考結果をメールまたはお電話でご連絡します。 |
提出書類 | 履歴書、職務経歴書、(任意) 〇〇に関する資格証のコピー |
【ポイント】
- 連絡手段の明記: 選考結果を電話で連絡するのか、メールで連絡するのかを明記し、応募者に待機するよう促しましょう。
- 応募の秘密厳守: 現在、他院に勤務している応募者への配慮として、応募の秘密は厳守することを必ず明記してください。
これらの要素を盛り込むことで、クリニックの理念に共感し、共に成長してくれる**「理想のスタッフ」**との出会いを実現できるでしょう。
採用代行の「りくる」では応募者に届く求人票の作成を代行しています。
また、紹介会社との連絡代行等、採用に関わる様々な業務をサポートします。

求人票作成は、単なる情報の羅列ではなく、クリニックの未来を語るメッセージです。
ぜひ、あなたの熱意を形にするお手伝いをさせてください。
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