クリニック開業に向けた人材採用:【採用計画】クリニック開業を成功に導く4つのステップ

クリニックの成功には、優秀なスタッフの存在が不可欠です。
しかし、どのような人材を、いつまでに、何人採用すれば良いのか、悩む先生方も多いのではないでしょうか。
今回は、クリニック開業を成功に導くための採用計画の立て方をご紹介します。

1. 必要な職種と人数を洗い出す

まずは、クリニックの規模や診療方針に合わせて、開業時に必要な職種と人数を具体的にイメージしてリストアップしましょう。
ここでは、消化器内科の個人クリニック開業を例にご説明します。

以下の場合・・・

  • 院長1名の1診体制
  • 日曜祝日休診

例えば、看護師を1日2名で考えた場合、以下のような勤務条件のスタッフで対応するには、1日だけ1名不足する日が出てきます。

常勤 週5日1日8時間11111
非常勤 週3日1日8時間111
非常勤 週2日1日8時間11

  • 患者の人数を想定し、1名で対応する日を作るのか。
  • 人員を増やすのか、増やす場合、臨床検査技師を採用し、看護師と検査技師で役割分担をしつつ対応するのか。クラークを採用し、看護師の負担を減らすのか・・・ 等の様々な対応を検討することができます。

当然、国家資格所有者より事務・クラーク等の資格不問の職種の方が給与相場は安いため、人件費を抑えることは可能です。

消化器内科の場合は胃カメラ検査等があるため、1日2名程を想定しますが、
例えば、内科や整形外科のクリニックであれば、院長自身が処置を行う等の対応をする等の対応で、看護師は1日1名で対応されているクリニックも多い印象です。

受付・医療事務については、窓口の対応だけでなく、電話・会計対応等、業務が多岐にわたるため、
2名体制が基本と考えてよいかと思います。
いずれの職種も経験年数や専門性を考慮して、必要な人数を検討します。

また、採用する人数はまずは、常勤換算(スタッフが勤務できる時間で算出・8時間勤務✕5日=週40時間)でイメージすることで、最終着地点を決めやすくなります。人件費をどこまでかけるか、常勤・非常勤の人数等、今後の採用に関わる選定もスムーズに進めていけます。

2. 採用基準の明確化

次に、どのような人材に来てほしいのか、採用基準を明確に定義しましょう。
スキルや経験はもちろん大切ですが、それ以上に重要なのは、クリニックの理念や方針への共感、そしてチームワークを大切にできる人柄です。

  • スキル・経験: 診療科や業務内容に合わせて、必要な資格や経験を具体的に設定します。
  • 人柄: 責任感があるか、コミュニケーション能力が高いか、患者さんに寄り添えるかなど、クリニックの雰囲気を形作る要素を明確にします。
  • クリニックへの共感: 「患者さんの笑顔のために」など、先生が掲げる理念に共感し、一緒にクリニックを盛り上げてくれる人材を求めましょう。

ほかに、採用しない基準も明確にしておくことが重要です。

  • 応募書類から面接を調整するまでの段階で、連絡の行き違いが多い、こちらの案内に対する解釈に違和感がある場合は、
    入職後にもトラブルを起こしやすい人材が多い傾向があります。
  • スキル、経験についても、具体的に何年、一つの業務についてもどこまで経験があるのかを具体的に確認することが必要です。
    「採血」一つとっても、「できる」と採用したにも関わらず、実は得意ではない、経験数は多くない、ブランクが長い、等の
    様々な理由で、現場で求めていたレベル感とは違う、ということもあります。

こちらは、面接時に具体的なスキル確認シートを用意しておくこともオススメします。
採用代行の「りくる」では、貴重な面接の時間を有効に進めていけるよう、手技確認シートの提供も行っています。

クリニックの新規オープン求人は開院後の募集に比べて応募数が多い傾向があります。
特に看護師・医療事務は、条件や立地にも寄りますが、駅近くの新規クリニックの場合、多いと1ヶ月で30人程の応募があることもあります。
そのため、採用する基準・しない基準を明確にしておくことで、多数の応募者の中からクリニックに合う人材を見つけやすくなります。

3. 給与・待遇の設定

採用を成功させるためには、魅力的な給与・待遇を用意することが重要です。
地域の医療機関の相場や、近隣の競合クリニックの情報を参考に、納得感のある給与体系と福利厚生を検討しましょう。
常勤・非常勤ともに調査の上で決定することが必要です。

  • 給与: 基本給、各種手当(資格手当、皆勤手当など)、賞与などを設定します。
  • 福利厚生: 社会保険の完備はもちろん、有給休暇、長期休暇、産休・育休制度、健康診断など、スタッフが安心して働ける環境を整えます。

賞与は何ヶ月分にするのか、基本給を上げると賞与の額も上がるので、手当で月額を調整するのか・・・
相場を確認しながら、適切な給与を掲示することが必要になりますが、今後の運営への影響も考慮する必要があります。

りくるでは無料で地域の求人給与の相場調査を行っています。
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4. 採用予算の確保

採用活動には、ある程度のコストがかかります。求人媒体への掲載料や、人材紹介エージェントへの手数料など、必要な経費を事前に見積もって、採用予算を確保しておきましょう。

  • 求人媒体: 費用は媒体の種類や掲載期間によって異なります。ターゲットとする層にリーチできる媒体を選びましょう。
  • 人材紹介エージェント: 採用が成功した際に、年収の一定割合を手数料として支払うのが一般的です。専門性の高い職種や、即戦力となる人材を効率的に獲得したい場合に有効です。

「2. 採用基準の明確化」で、新規オープンは応募が多い傾向があるとお伝えしましたが、
看護師・医療事務以外の職種については、様々な理由で自己応募は少ない傾向です。

例)理学療法士・・・クリニックの応募は少数派。何が経験できるか、を重視する傾向が強いため、特徴や実績のある医療機関に人気が偏りがち。
  臨床検査技師・放射線技師 ・・・バイト・パートの自己応募者は一定数いるが、常勤雇用となると自己応募は少数派。

常勤での転職活動は自己応募ではなく、人材紹介を利用する応募者が多いため、自己応募の求人媒体と並行して進めていく必要があります。
複数の求人を同時並行する必要があるため、採用については採用代行業者を利用するのも一つの手段です。


最終的な予算が確定した後、再度給与や待遇、必要な職種と人数、雇用形態を検討し、採用計画を立てていく必要があります。
採用計画は、クリニックの将来を左右する重要なプロセスですが、計画は厳密に立てすぎず。
実際の応募状況を見ながらフレキシブルに計画を軌道修正していくことが大切です。

採用代行の「りくる」では無料で地域の求人給与の調査、紹介会社との連絡代行等、採用に関わる様々な業務をサポートします。

理想のチームを築き、クリニックの成功を目指しましょう。

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